3Dプリンター使いの上原です
3Dプリンターの出力サービスをしていると、3Dデータを作成する依頼もあります。
その場合は、お客様から製品設計の図面や構想設計の図面、または意匠図かな?と思われる簡易的な図面などを送っていただき、その図面を使ってCADで3Dデータを作成します。
実は、得意分野です。
3Dデータを作るときは、公差を意識する必要があります。
ところで、公差(こうさ)って、聞いたことありますか?
公差とは、寸法の許容範囲を言うのですが、聞きなれない言葉かな?
図面の値の横に、小さい文字で「±」や「+」「-」が書いてある数値です。
例えば
100 ±0.2と書かれていると
最小99.8 mm から 最大100.2 mm
の寸法で作成してください。と言う意味になります。
3Dデータ作成は、「中間公差で作成」と言われた場合、中間の値で作成する必要があるので
100 mm
となります。
ですが、この中間公差が曲者(クセモノ)です!!
製品設計用の3Dデータなら中間公差で問題ないのですが、3Dプリンター用のデータとなると別です。
※もちろん、加工の時も公差は重要!!
3Dプリンター用の3Dデータを中間公差で作成すると、パーツAとパーツBのクリアランス(スキマ・距離)が問題になる時があります。
- クリアランスが0の場合
ピッタリに組み付けれるイメージがあるかもしれませんが、3Dプリンターで作成した製品は
加工と違い、表面がツルツルに見えてツルツルではありません。
ペーパーなどで調整するなら問題ありませんが、クリアランスをデータに反映した方が良いです。
- クリアランスが小さすぎる場合
クリアランスが0の場合に近いですが、場合によって組み付かない場合があります。
1点ものならペーパーで調整で良いですが、複数作る場合はデータを修正した方が良いです。
- クリアランスが大きすぎる場合
パーツが外れやすくなります。一番ダメです。
ペーパーでも調整できないため、データを修正して3Dプリンターで再作成する必要があります。
時間と材料費・・・いろいろ損をします。
- 適度なクリアランス
パーツAとパーツBが、スムーズに合わさります。
適度なクリアランスって何?
3Dプリンターで作成する場合のクリアランスは〇〇mmです!!とは断言できません。
なぜなら、3Dプリンターの方式(FDM、SLS、インクジェットなど)や、積層ピッチ、作る方向などによって設定するクリアランスは変える必要があります。
切削加工と違い、3Dプリンターは積層で作成するため表面が綺麗に見えても、細かい段々になっているからです。
じゃーどうするか?3Dプリンターを使いこんだ経験です。
中山木型では、形状を見てからクリアランス値を変更しています。
※形状を見て、反り変形などを考慮するためです。
ものづくりの相談・御見積りは、無料です。
ご興味のある方は、気軽にご連絡ください。
有限会社中山木型製作所 担当:上原 電話:0566-42-4838