最近、お客様から3Dプリンターの最小肉厚(薄さ)について聞かれることが多かったので実験をしてみました。
実験したのは弊社にある3DプリンターStratasys Dimension Eliteです。3Dプリンターの方式としては、FDMになります。FDM方式の話は別な記事で説明していますが、簡単に言うとケーキのホイップです。熱で溶かしたフィラメント(ABS)をケーキのホイップのようにして形状を作成します。動きは「輪郭を作る」「中を埋める」「次の段(高さ)に移動」、「輪郭を作る」「中を埋める」「次の段(高さ)に移動」、「輪郭を作る」・・・・・を繰り返して形状を作ります。
実験用のデータを準備
実験用のデータは、CADで作成しました。56.6 x 35.0 x 3.0 (mm)の板に、幅0.2mmから1.4mmの凸板0.1mmピッチで13個配置して、正しく寸法どうりに作成できるか実験します。大丈夫だとは思いますが、凹側も同様に作成しました。
テストした幅(mm)
0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 1.4 |
3DプリンターDimensionEliteの積層ピッチ
DimensionEliteの積層ピッチは、2種類選択できます。0.1778mmと0.254mmです。積層ピッチが細かければ綺麗にできますが作成時間はかかります。今回は2種類ともテストしますが、3Dプリンター出力サービスでは形状・用途・後処理などにより積層ピッチを変更しています。
積層ピッチ0.1778mm=綺麗だが作成時間が遅い
積層プッチ0.254mm=通常使う積層ピッチ
実験結果は、さて?
写真が、実験結果です。左側が0.1778mmで、右側が0.254mmです。並べてみると0.2mmも形状がありますね・・・・以外にも(笑)
右側の0.3mmのところにゴミが付いています。これは古いフィラメントを使用したからです(ダメです。でも実験なので・・・・)。
実験には関係ありませんが、材料のフィラメントは、密封して保管しないと湿気の影響で正しく製品を作成できない場合があります(これ重要!)。本当は新品のフィラメントの封を開けたら早く使い切りたいです。なかなか難しいですけどね・・・・。
見た目は、「な〜んだぁ!0.2mmでも作成できてるよ!」ですが・・・・ノギスで計測します。
0.1778mmの結果は、0.5mmから正常です。0.2mm〜0.4mmは形状は良いですが厚みが守れていません。長さは0.3mmから正常でした。凹はノギスで測れなかったですが、たぶん大丈夫です。
0.254mmの結果は、0.8mmから正常です。0.2mm〜0.7mmは形状は良いですが厚いです。長さは0.4mmから正常でした。
実験のまとめ
FDM方式は「輪郭を作る」「中を埋める」「次の段(高さ)に移動」で作るため、「輪郭を作る」がポイントになります。0.254mmの積層ピッチだと、輪郭を作るため、0.254mm+0.254mmが最低必要です。0.508mmは最低必要となります。実験の結果を見ると少し余裕を見た方がよさそうですね。
積層ピッチ0.1778mm=厚さは0.8mmは欲しい
積層プッチ0.254mm=厚さは1.0mmは欲しい
形状の確認なら良いのですが、精度の高い製品を作成しようとすると厚みのチェックは必須ですね。厚みが1.0mm以下はアクリルで作成しましょう!解決!!
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