3Dプリンター使いの上原です
突然ですが、「真空注型」ってご存知ですか?
「真空」「注型」・・・言葉だけ見るとなんか凄そうですが、これが便利なんです。
3Dプリンターの出力サービスをしている中山木型でも、とてもお世話になっている成形方法になります。
なぜ、3Dプリンターで製品を作成しないで、真空注型で製品を作成するかは、順に説明します。
まずは、謎の真空注型について説明します。
真空注型って何?
金型は、金属で作成された型・・・は聞いたことありますよね?
日用品や車など、身の回りにある製品は金型を使って大量生産されます。
注型は、知らない人が多いと思いますが、シリコン等で作成した型を使って製品を作成します。
金属で型を作らないので、コストは下げれます。
その注型方法に、真空脱泡を追加したのが真空注型・・・難しいですね。
真空注型の工程を説明します。わかるかな?(不安)
真空注型の工程
真空注型機を使った製品の作成方法を簡単に説明します。
1)マスターを作成
原型と言えばわかりやすいかな?複製する製品の元を準備します。
作るのは、3Dプリンター、光造形、加工・・・なんでも良いです。
2)シリコン型を作成
流す型枠に、マスターとゲート(後で材料を流す通路)をセットします。
事前に真空注型機で脱泡したシリコンを、型枠に流します。
流し込んだら、型枠ごと真空注型機で脱泡します。
※脱泡(だっぽう)がわかりにくい人は、炭酸水の炭酸を抜くイメージしてください
※脱泡するのは、空気が残らないようにするためです。
高温室で、シリコンを硬化させます。
大きさにもよりますが、12時間でシリコン型は固まります。
切開してマスターを取り出し、シリコン型は完成です。
3)シリコン型を使って、製品を作成
主剤(A)と硬化剤(B)を混ぜて、材料(C)を作成する。
真空注型機の中で、材料(C)を上型と下型を合わせたシリコン型に流し込みます。
高温室にいれて、材料(C)を硬化させます。
型から製品を取り出し、仕上げ処理をしたら完成です。
おススメ1:液体を入れる必要がある場合、真空注型で作成する方法をご提案
花瓶をインクジェット方式の3Dプリンターで作成した場合、水を入れると染みてきます。花瓶のような、中に液体を入れる製品は光造形か真空注型でご提案しています。
パイプ形状のデータで見積依頼される方がいた場合は「液体を流しますか?」と質問するようにしています。
おススメ2:個数が多い場合は、真空注型で作成する方法をご提案
たとえば、同じ物を10個作成する必要がある場合、全てを3Dプリンターで作成するか?真空注型で作成するか?を検討します。
大きさや形状などの条件にもよりますが、10個作成だと真空注型で作成した方が安い場合が多いです。
真空注型では
- マスター費用
- シリコン型費用
- 成形品の費用
が必要になります。
3Dプリンターより、「マスター費用」「シリコン型費用」が余分にかかる費用になりますが、「成形品の費用」安く作れるためトータルの費用が安くなるのです。
※形状により、3Dプリンターで複数作成した方が安い場合があります。一度、お問い合わせください。
3Dプリンターで作成するか?真空注型で作成するか?コラボで作成するか?ご相談ください。
予算、用途(液体を使う)、材質、強度、大きさ・・・・いろいろな条件で、ご提案する方法を考えています。
3Dプリンターや真空注型は、得意な分野・形状があるため、事前に相談していただければと思います。
ものづくりの相談・御見積りは、無料です。
ご興味のある方は、気軽にご連絡ください。
有限会社中山木型製作所 担当:上原 電話:0566-42-4838