3Dプリンター使いの上原です
今回は、煉瓦屋さんやタイル屋さんにオススメの記事です。
中山木型では、煉瓦やタイルのデザインとして、
文字や模様を付ける際に3Dプリンターで作ったスタンプをご提案しています。
※スタンプは、粘土状態の時に使用します
スタンプと言えば、ゴム印のイメージがあると思いますが、
市販のゴム印はインクを紙にスタンプするための物なので、材料がゴムで出来ており柔らかいです。
粘土に市販のゴム印を押して凹ましても、
ゴムが柔らかく高さが無いため、浅い形状しか作成できません。
これだと、くっきりした模様が表現できません。
そこで、3Dプリンターで作ったスタンプを使います。
切削加工(工作機を使って加工)でも同じことができるのですが、少し違いがあります。
2つの製作方法を比較しながら説明します。
まず始めに、スタンプを作るのに必要な物を準備
スタンプを作るには、3Dプリンターで作るにしても、切削加工で作るにしても、必ず必要な物があります。
それはCADデータです。
文字を作成する場合は、CAD(パソコン)にインストールされているフォントの
明朝体やゴシック体などを選択できます。
キャラクターやマークなどの絵柄を作成する場合は、その2Dデータを作ります。
外部からデータを入手する場合は、DXFデータが欲しいですね。
画像からスタンプを作って欲しいと言われますが
ラスターベクター変換の精度で良ければ作りますが、100%同じものが出来る保証はありません。
ほぼ修正をしています。
(使っている変換ソフトの問題かも?)
修正するとデザインが変わってしまう可能性がありますので、DXFデータが準備できるのであれば
そのデータを使った方が良いです。
2つの製作方法を比較
ひらがなの「あ」のスタンプを作成し、形状を比較します。
粘土に、スタンプを押した状態です。
左側が、3Dプリンターの物
右側が、切削加工の物
画像から、違いがわかりましたか?
わかりやすいように、赤色を付けると
解説すると
切削加工で作成したスタンプは、材質・厚みなどを考えるとスタンプの強度は1番良いです。
ただし、工具で加工するため、必ず凹Rが付きます。フラット工具を使っても高さ方向の凹Rは付きます。
また、幅が狭い箇所は工具が入らないため、切削加工ができるデザインを考える必要があります。
3Dプリンターで作成したスタンプは、デザインした形状と同じ物が作成できます。
切削加工と違い、凹Rが付かずにエッジ(角)が出来るので、くっきりとした陰影の文字やデザインが出来上がります。
また、工具が入らないような細かいデザインも作ることが出来ます。
しかし、デザイン通りに同じものが出来るということは、
スタンプとしての強度が不足する場合があります。
細かいデザインだと、スタンプを粘土に押す際に折れる可能性も…?
注意するのは、スタンプの「厚み」と「高さ」です。
3Dプリンターで特徴を理解して、理想のスタンプを作成します。
今回「あ」のスタンプは、外寸30x30mmを想定しています。
文字の厚みは、2.4mm。厚みは十分です。
文字の高さは、2.0mmで作成していますが、2.5mmくらいの方が
綺麗な陰影が表現されます。
たった0.5mmの違いで、煉瓦やタイルの良さが変わります。
ものづくりの相談・御見積りは、無料です。
ご興味のある方は、気軽にご連絡ください。
有限会社中山木型製作所 担当:上原 電話:0566-42-4838