3Dプリンター使いの上原です
いろいろな業種の方から、3Dプリンターを使った製品作成のご依頼があります。
本当は、ホームページに製作事例として紹介すると
有効的な3Dプリンターの使い方のヒントになると思うのですが、
開発中の物や研究品が多いため、公開するのが難しいのが現状です。
今回は、お客様から製品の情報を公開することのご了承を得ることができましたので
3Dプリンターを使って作成したプレゼン用模型を、画像付きでご紹介します。
お客様の依頼内容
ショッピングモールなどで、スマホカバーやアクセサリーを販売しているワゴンを見たことがありますか?
依頼されたお客様では、あのワゴンの提案から製作までされているそうです。
従来は、スケッチを使ってプレゼンされていたそうですが、立体の模型の方がプレゼン効果があるのでは?と思われ
たそうです。
そこで、インターネット検索したところ中山木型にたどり着いたそうです。
同じ愛知県民、運命的な出会いですね。
画像から3Dデータ作成
他のブログで何度も言っていますが、3Dプリンターは3Dデータが必要になります。
今回は、お客様が準備されたのはスケッチだけですので3Dデータを作成する必要があります。
準備していただいたスケッチは
になります。
正面や側面などは無く、立体(パース)の形状のみです。
普通、3Dデータを作成する場合
- 図面があれば、CADを使いデータ作成
- 製品があれば、3Dスキャナーを使ったデータ作成
になりますが、どちらも使えません。
そこで、雰囲気を壊さないようにCADで3Dデータを作成することにしました。
もちろん100%ではありませんが、雰囲気は大変重要です。
模型のコストを低く
プレゼン用模型は、プレゼンで成功すれば良いのですが、失敗すると無駄な費用になります。
とは言っても、インパクトの無い模型は作る意味がありません。
当たり前ですが、良い物を安く作成する必要があります。
そこで
- 予算に合わせて模型の大きさを決定する
- 屋根とワゴン本体の2パーツにして、次回から屋根のみ新しくする
- 細かい部分は別パーツ
- 色は単色
と、しました。
こうすることによって、初回だけは費用がかかりますが
2回目以降はデザイン変更した屋根のみの作成で済みますので、安くご提供できます。
データ作成の注意点
データは、原寸で作成して模型用に縮小すると
3Dプリンターで保証できる厚み以下になる可能性があるため、初めから縮小した寸法で作成します。
厚みは最低1mmで作成していますが、荷重がかかる箇所は雰囲気が変わらない程度に厚くしました。
本体と屋根のジョイント部分は、クリアランス0.2mmで作成しています。
また、糸の部分は3Dプリンターで作成すると、運搬の際に破損する危険性が高いので
製品完成後に、糸かワイヤーで作成します。
どの3Dプリンターで作成するか?
トータルの費用を考えると、選択する3Dプリンターは1択です。
粉末造形の3Dプリンターです。
なぜ?と思うかもしれませんが
形状的に、他の3Dプリンターだとサポート材を大量に使用するからです。
サポート材を大量に使用 = 費用が高くなる
組み立て式にして、サポート材を少なくする方法もありますが
データ作成に時間がかかってしまいます。
また粉末造形だと、3Dプリンターの材料の中で強度があるナイロンにすることができます。
微細な部分が、運搬中に壊れることもありません。
綺麗さを優先するなら、インクジェット方式を使ったと思います。
完成品 どうですか!
データ作成後、1度デザインの確認をしていただきます。
この際に、変更・修正したい箇所があれば、データ修正を行います。
今回は屋根の形状を少し修正しました。
そして、完成したのがこちら!
大きさ(本体+屋根) 160 x 170 x 206 mm
実際のワゴンの1/12の大きさで作成しました。
これが、1/10の大きさだと予算をかなりオーバーしましたので
予算に合わせて、小さくしたのが本当のところです。
この状態で、納品しています。
この後、お客様が細か飾りつけや色などの作業されるそうです。
デザインからプレゼン用模型を作成するまでを、ご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
どうやって完成まで作業しているのか?興味がある人には、楽しんでいただけたと思います。
今後も、事例を紹介できれば良いな!と思っています。
ものづくりの相談・御見積りは、無料です。
ご興味のある方は、気軽にご連絡ください。
有限会社中山木型製作所 担当:上原 電話:0566-42-4838