3Dプリンター使いの上原です
今回はお問い合わせを沢山いただいている、3Dスキャナーを使ったデータ化についてのお話です。
ちょっといつもよりは難しい話かも・・・
一般的に、3Dスキャナーの利用方法として
- 製品検査
- 製品のデータ化
などがありますが、
製品のデータ化は、どんなことができるのか?を紹介します。
中山木型では、
- 古い部品
- 古い金型
- 美術品
- アクセサリー
など、図面やCADデータがない物のデータ化をしています。
図面やCADデータがある場合は、3Dスキャナーの出番はありません。
※著作権などは、必ず確認しています。
少しでも問題が有りそうな場合は、お断りしています。
3Dスキャナーは、0.05mmの精度でデータ化をします。
(3Dスキャナーの性能によりますが...)
とても精度が良いので、表面の小さなキズやへこみなども反映されますが、
100%データ化できるかと言えば、そうではありません。
人の目で確認できる形状でも、データ化できない場合があります。
影になる部分、深い穴などがある場合は、確認が必要です。
撮影後のデータは、点の集まりになっています。
そのままのデータでは使えないので、
3Dプリンターで出力する時は、STLデータに変換します。
※STLを編集する場合もあります
CADで製品データを編集したい場合は
STLデータではなく、CADで取り込める要素(サーフェスやソリッド)に変換する必要があります。
IGESやSTEPなどのデータフォーマットを読み込みます。
3Dスキャナーで作成したデータをCADでどう使うか?
例えば、次のようなL字の製品が実際にあるとします。
あなたの希望は、どれでしょうか?
- 設計したCADに重ねて、形状確認したい
- 形状変更をしたい
- 金型へ展開したい
1.「形状確認」をご希望の場合
自動サーフェス機能を使って、点の集まりをサーフェスに変換します。
形状は、こんな感じです。
複数の四角形のサーフェスで作成しています。
自動でサーフェスを作成するので、キレイな平面がとれませんが、
設計時のデータと重ねて断面を作成すると、設計データと製品との誤差がわかります。
※製品設計のデータとの比較になると、製品には型要件が追加されているため
比較が難しいと思います。
2.「形状変更」、3.「金型へ展開」をご希望の場合
3Dスキャナーを使ったサービスのオプション(有償)になりますが、モデリングをします。
点の集まりから、この辺は平面、この辺はフィレット・・・など要素を作成していきます。
自動サーフェス機能を使って作成されたデータのままだと、
平面やフィレットなどの要素がないため、形状変更や型展開をする時に、編集がとても困難です。
また、半径などを計測すると、R2.05など誤差が入った細かい数値になります。
特に指定がない場合は、良い感じのR2などに調整していきます。
ご予算が少ない場合だと、自動サーフェスのデータを編集することなく、
そのままお渡しすることになるので、平面やフィレットなどの要素を自分たちで作成する必要があります。
- 有償でCADデータまで完成させる
- 自社のCADで編集して使いやすいデータにする
どちらも時間がかかりますので
CAD操作に自信があれば、自動サーフェスのデータを編集することををおススメします。
ものづくりの相談・御見積りは、無料です。
ご興味のある方は、気軽にご連絡ください。
有限会社中山木型製作所 担当:上原 電話:0566-42-4838